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聖徳祭から1週間経ち・・・

⼩栁俊喜 2020.10.26

聖徳祭から早くも1週間が経ってしまいました。

今年は新型コロナウイルスの影響で様々な行事が中止になってしまい、日常とは少し違った姿を見られる機会がなかなかありませんでしたが、聖徳祭は無事に開催され、学校のいたるところに笑顔がありました。

こうして余韻に浸っている間にも、日常は過ぎ去っていきます。

今日は、中学2年生の数学の授業の様子をお伝えしたいと思います。この日の授業では、「2つの直線が平行なとき、錯角は等しいといえるか」ということについて考えました。生徒たちとのやり取りの中で、「見た目では等しそう」という生徒がいる一方で、「もしかしたら錯角が違う場合もあるかもしれない」という声もあがりました。しかし等しいといえる派の勢力が強く、「じゃあ、等しいというためには何をしなきゃいけないか?」と聞くと「証明!」という声が上がりました。前回の授業までに「対頂角は等しい」ということを証明した経験がその発想につながっていたのだと思います。そこで、2つの直線が平行なとき、錯角は等しいということを証明しよう!という活動に入りました。前回までに証明したことを確認しながら考えました。しばらくすると、Oさんが「先生、私たちの誰かが先生役になって説明したいです。」と言ってきました。するとYさんが「それいつもの授業でもやってない?」と言いましたが、Oさんは「いつもは先生が前にいて、私たちが答えたり説明したりしてるけど、そうじゃなくて生徒だけで説明するんです。」Wさんも「それは楽しそう」と言うのです。そこで、この場面では、生徒にまかせて、前で説明してもらうことにしました。まずは1人の生徒が前に立ちましたが、いざみんなの前に立つと恥ずかしくなったのか、もう1人呼び寄せて2人で説明することになりました。しかし、この2人はたまたま違う方法で証明していたのです。(ラッキー!?)そこで、2通りの証明の説明がなされることになりました。他の生徒も、2人の話を聞きながらうなずいたり、考えたりしていました。私もツッコミどころを我慢して、生徒たちが気づくのを待ちながら、ポイントとなるところでは生徒役として質問をしたりしながら、授業は進んでいきました。そして、最終的には1人の生徒は「そっちのやり方でもできる」ということに気づき、もう1人の方のアイデアの証明を採用することになりました。いくつかのやりとりの末、中学2年生による「2つの直線が平行なとき、錯角は等しい」ことの証明は完成しました。これで、中学2年生が証明した定理は2つ目になりました。

最後に、この日証明した事実から解ける角度の問題を出しました。考える時間だけとって、みんなで共有するのは次の時間ということになりました。授業が終わった後に、職員室に戻ろうとすると、OさんとWさんが「先生、ちょっと待ってください。最後の問題説明するので聞いてください。」というのです。授業が終わった後もそのことについて考えるというのは、私の目指す姿のひとつでした。そこで、もちろんその説明を聞いていたのですが、説明しているうちに、2人で間違っていることに気づきました。私はほとんど相槌だけだったので、説明しているうちにあれっと気づいたのです。人に説明することで、自分の頭の中が整理されるという経験を1つ積むことができたと感じました。2人は、「次の数学の授業までに考えときます!」と言ってその日のやりとりは終わりました。