

卓833 武州散策
社会 2025.09.12
9月10日(水)、4・5年生(高一・高二)は埼玉県へ一日校外学習。
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5年生の修学旅行で実践される平和学習(長崎原爆資料館の見
学等)のプロローグとして、2年前の5年生から始まった、
埼玉県東松山市にある丸木美術館の見学をメインとする遠出。
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( 2025/9/1 9:27, 9:46 湯澤校長による丸木美術館についての事前プレゼン )
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今月末から改修のため2年ほど休館するため、今年は4年生も
5年生(川越散策のあとに丸木美術館)と逆順で巡ることに。
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( 2025/9/10 10:35, 10:40, 10:51 私も初めて入館しました。 )
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原爆投下後の広島のほか、
アウシュビッツ収容所、南京大虐殺、水俣病で苦しむ市民と社
会、成田空港建設反対で揺れた三里塚闘争など、
多岐に亘る史実、体験、聞き取りをもとに、
心身ともに傷ついた人々の視点で、
丸木位里(1901-1995)、丸木俊(1912-2000)夫妻が描い
た壮大な思いに、数か国語で掲出されたテキストを
読みながらめぐる時間を共に得ました。
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( 2025/9/10 11:29 『虹』 )
その日は平日。
長期休館が迫っていたためだけではないと思いますが、
思った以上に多くの方々が来館していて、
国外で今なお散見される理不尽な惨状がこの国で現実に
起こされていたことについてのメッセージを、
同じ空間で視ながら共有する経験となったことは、
退館後に見る生徒の表情や足どりにかすかに現れていました。
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( 2025/9/10 11:25 『救出』 )( 2025/9/10 11:32, 11:35 2階の展示場は撮影可とのご案内でしたので、共有します。 )
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80年も平和を保っているとされる日本ですが、
国内では公害病、行政や司法との対決、交通戦争など、
内なる動乱は存在し、他人事ではありません。
また、戦争放棄とこの国の国民が主張するも、結果的には、
他国の兵力の動員や犠牲への依存によって平和が保たれている
という現状(←某国大統領の論への賛同にあらず)を思えば、
この事象・事態への無関心という当人の心理的状況こそが、
相対的戦闘であるかもしれず、残忍非道の片棒を担いでいる
可能性について、多くの人が思いを深めねばならない…とも。
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( 2025/9/10 15:13 このあとの川越散策も終わった帰りに見えた、利根川と江戸川の分岐点。右方へ流れゆくのが江戸川。 圏央道・茨城県五霞町 )
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40分ほど移動して、小江戸・川越にやってきました。
寛政年間(200年余前)の江戸で登場した焼き芋は、
ここ川越の周辺で獲れたサツマイモであったため、
焼き芋のメッカ。短い滞在時間は街並み×お店巡り。
卓827 でもふれましたが、
「栗よりうまい十三里」を掲げるお店に寄りまして。
石焼き芋、壺焼き芋とあるうち、手間のかかる壺焼き芋は
やはり品切れがち。午前中に来ていた5年生は、
壺焼き芋が買えたんだろうな…、とか。
( 2025/9/10 12:30~14:00 川越といえば鰻。老舗の鰻屋さんは大行列でしたので、ミニうな玉丼などが食べられるお店で先生方6名でおヒルにしました。 )
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関東大震災や戦時中の空襲の被害がほとんどなかった川越最後
の災害は、1893年の市内の大火。鎮火後に商人たちは、
迷わず蔵を構えたことがこの街並み形成の始まりなのだそう。
今や、各国からの訪日客で平日も賑わっており、
埼玉県の宝ともいうべき伝統的な都市空間です。
( 2025/9/10 上左:菓子屋横丁。この日はすいていました。 )
( 上中:巨大麩菓子を初めて製造した店で、ピンク色のモンゴルの岩塩や納豆、地酒なども扱っている。私は岩塩飴を購入。塩味の綿菓子を固体でしゃぶるような風味。)
( 下左:スイートポテトとクリームチーズが2層のパイを売る店。混んでいなかったため、どちらのお店でもお店の方と最近の街の様子とかちょっとおしゃべりを。)
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モノのお土産、認識のお土産と持ち帰る一日となりました。
元気な高校生たちと、非日常や人間の倫理的課題を巡る旅は、
教育活動と研究修養の両面を実感する時間となりました。
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