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5年生の『世界史探究』の授業をしました。グローバル化とは?

岩崎 一好 2023.09.16

 

5年生の世界史探究の授業をしました。授業のアウトラインを紹介します。

今日の探究テーマは「グローバル化」とは?

 

1校時目

(1)いつから世界はつながりだしたのか?

まずは、グローバルの定義を確認。グローバル化とは、「人・モノ・カネ・情報が国境を越えて結びつき、世界の一体化が進むこと」を表します。ではいったいいつから世界はつながりだしたのか?

それは、草原の道、オアシスの道、海の道が東西を結ぶ交易ネットワークにより東西文化の交流や伝播に大きな役割を果たした。また、12~13世紀の西ヨーロッパの十字軍運動、マホメットの子孫がイスラム帝国を築き、チンギスハンの子孫がモンゴル帝国を築き、その膨張から始まったね。15世紀末に始まり16世紀に展開されたヨーロッパ・キリスト教国の大航海時代に本格的に始まり、ルネサンス時代の科学的知見の拡大、航海技術の発達などを経て一段と進んだのです。

 

(2)世界の一体化の本格化はいつから?

このころはヨーロッパとアジアが直接的に交流するようになっただけではなく、南北アメリカ大陸という新大陸が「発見」されて、「征服」されたことによって、地球的規模での「世界の一体化」に発展しました。1545年に発見されたポトシ銀山などラテンアメリカの銀が、ヨーロッパだけでなくアジアにもたらされました。こうして、西欧諸国では商工業が発展し資本主義的世界経済の土台が準備されたのです。

 

2校時

(3)第1次産業革命から植民地獲得競争が発生

次の市民革命に台頭したブルジョワジーにより18~19世紀前半に産業革命が進展しました。産業化革命が進展すると、西欧諸国の植民地拡大が本格化して、世界の一体化はさらに進みました。

 

(4)植民地支配の影響 例えば南北問題

しかし西欧による植民地支配は、アジア、アフリカの近代化を妨げ、支配被支配の関係を継続させた。やがて大きな経済格差を生み、いわゆる南北問題となり、今日まで影響が残っています。

グローバル化の光と影を世界史の視点から掘り起こし、現代の状況を見ていくことが大切です。第2次大戦後、パックスアメリカーナにより、今やアメリカ発信のグローバル化が進みました。一方で欧米中心のグローバル化は、ハンチントンのいう「文明の衝突」をより進展させ、マイノリティの文化が埋没し、グローバル国同士の覇権争いや戦争まで発生しているなど、グローバル化による問題は深刻です。現代の問題について考えるとき、歴史からひも解くと、本質が見え、構造的に理解できるようになります。

 

授業後の振り返りを見ると、「現代と過去がつながっている」「現代の問題を考えるときに歴史をもとに考えることの大切さを知った」などの感想があり、歴史を学ぶ意味が分かってくれたようです。

 

だから世界史探究 頑張っていこう!

世界史は世界を見る目を鍛えてくれる、必要不可欠な教科であるといって過言ではないね。