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読書の秋 Ⅱ

湯澤 義文 2022.10.21

読書の秋Ⅱ、イワンの馬鹿に続いて、私のバイブルとなっている本をご紹介します。福岡正信の「わら1本の革命」です。愛媛県伊予市で自然農法一筋に生きた方で、インドのガンジー元首相から最高名誉学位を授与されました。さらにフィリピンのマグサイサイ賞を受賞された方で、2008年に逝去されています。多少哲学的な文章もありますが、「風心」の一説をご紹介します。

 

田も耕さず 肥料もやらず 農薬も使わず 草もとらず しかも驚異的に稔った

この一株の苗が教えてくれる緑の哲学なのだ

種をまいて わらをしく それだけで 米はできた それだけで この世は変わる

みどりの人間革命は わら1本から可能なのだ 誰でも 今すぐ やれることだから

さらに「風心」の書き出しの部分を紹介すると、

 

人類文明の遠心的な発達は 極限に達した このまま膨張し崩壊していくか

反転して求心的に収縮するか 滅亡か 復活か 岐路に立つ人間

足元の大地は崩れ始め 天も暗くなった

肉体の崩壊が 医学の混乱をまねき

精神の分裂が 教育の昏迷となり

社会の不安が 道徳の荒廃につながる

これで よいのか

その後に出版された本「百姓夜話」では、

人間は自らを不完全にした。不完全な人間が完全な人間へ復帰しようとする道、その道こそが人間が相対から絶対へ飛躍する道でもある。と書いています。

SDGsが推奨されながらも、ロシアによるウクライナ侵攻が続いている今こそ、もう一度読み直してみようと思いました。