• 学校案内
  • 学科・コース
  • 学校生活
  • 進路
  • 入試情報
menu close

取手聖徳陸上部35thトピック6『取手聖徳短距離とリレー+茨城県リレー』

小川 健二 2021.03.08

トピック6では、【取手聖徳短距離とリレー+茨城県リレー】について振り返りたいと思います。トピック5では、リレー競技でのインターハイ入賞でしたが、そのもととなる短距離種目をまとめます。今回も長くなります。最後までお付き合いください。
≪資料1;聖徳の県大会優勝と入賞数≫

トピック5で述べたようにリレーを強化していく中で短距離種目の強化は不可欠です。短距離の最初の県大会入賞者は、創部2年目の県高校新人大会の100mで5位入賞が県大会レベルで初入賞でした。この選手は中学時代に吹奏楽部に所属していましたがバネのある走りをする選手でした。そして、このスピードを生かして同大会の走幅跳で3位に入賞しました。これもまた初の表彰台でした。次に創部4年目の県選手権で渡辺和子(高2)が学校としても初優勝しました。その後、県高校総体・県高校新人・県選手権の3つの県大会で個人優勝が100m;14回・200m;16回・400m;6回の計36回、リレー競技は4×100mR;20回、4×400mR;16回の計36回の優勝をしました。数々のドラマがありましたが、印象的だったのはリレーでの3大会です。トピック3でも書きましたが、1991年に本校としては初の女子総合優勝が懸かった最終種目の4×400mR での優勝。メンバーは、オール2年で細田真弓・井坂泰子・角田ルミ子・小室智美です。中学時代は、県大会下位入賞の選手が2人の実績でしたが、総合初優勝に向かって感動的な優勝でした。2つ目は、1994年富山インターハイ4×100mRでの第7位に初入賞。3つ目は2001年熊本インターハイ4×400mRで第4位入賞が感動的な大会でした。
種目別の8位以内入賞は、下記の表にもありますが、3つの県大会で各種目延べ数は、100m; 66種目・200m;77種目・400m;48種目、4×100mR;61種目(県選手権は2チーム入賞が4回)・4×400mR;45種目の入賞があります。県選手権の4×100mRでは、チームの完全なBチームが4回入賞しました。創部7年目(H4年)に2チームが優勝と4位に入賞した時には「すごい」と声が聞こえましたが、3回目に2位と3位、4回目は優勝と3位と入賞すると「2チームが出場しているのは、おかしい」という声が聞こえてきて、翌年から1チームしか出場できなくなりました(笑笑)。
≪県高校総体 優勝者≫
〈100m〉6人
①渡辺和子(1990)、②金子友美(1994)、③高野千尋(1996)、④糸賀千恵(1998)、⑤植村 愛(2000)、➅植村 愛(2001)
〈200m〉7人
①渡辺和子(1990)、②船津美佐(1993)、③金子友美(1994)、④高野千尋(1996)、⑤糸賀千恵(1998)、➅植村 愛(2001)、⑦山下彩花(2005)
〈400m〉3人
①船津美佐(1993)、②根本圭子(1998)、③小山真理(2001)
≪県高校新人 優勝者≫〈4×100mR〉9回
①舟生早苗、竹林優子、横川晶世、渡辺和子(1990)
②臼井智子、金子友美、船津美佐、小泉克乃(1993)
③丸茂明見、金子友美、小林純子、寺門由紀(1994)
④山﨑悠紀、高野千尋、野口聖子、川又智子(1996)
⑤長沼美沙、山﨑悠紀、野口聖子、渡邊和江(1997)
➅山﨑悠紀、吉宮照子、渡邊和江、糸賀千恵(1998)
⑦植村愛、吉宮照子、小川美幸、浅野輸輝子(1999)
⑧植村愛、小山真理、吉宮梨恵、吉宮照子(2000)
⑨豊野由希江、小山真理、吉宮梨恵、植村愛(2001)
〈4×400mR〉1回
①豊野由希江、小山真理、石川裕子、吉宮梨恵(2001)

≪県高校新人≫
〈100m〉7人
①渡辺和子(1989)、②高野千尋(1995) 、③糸賀千恵(1997) 、④糸賀千恵(1998)、⑤植村 愛(2000)、➅森川 葵(2008)、⑦森川 葵(2009)
〈200m〉8人
①渡辺和子(1989)、②船津美佐(1992)、③高野千尋(1995)、④糸賀千恵(1997)、⑤糸賀千恵(1998)、➅植村 愛(1999)、⑦植村 愛(2000)、⑧森川 葵(2008)
〈400m〉2人
①根本圭子(1998)、 ②小山真理(2000)
〈4×100mR〉5回
①小林純子、寺門由紀、臼井智子、金子友美(1993)
②長沼美沙、野口聖子、飯尾美香、渡邊和江(1996)
③飯山圭子、瀬谷あずさ、渡邊和江、糸賀千恵(1997)
④豊島由美子、吉宮照子、根本圭子、糸賀千恵(1998)
⑤村木奈々、渡耒由理、鶴田由樹美、豊野由希江(2001)
〈4×400mR〉9回
①細田真弓、井坂蓁子、角田ルミ子、小室智美(1991)
②斎藤裕子、金子友美、石塚文子、船津美佐(1992)
③野口聖子、川嶋妙子、鈴木深雪、高野千尋(1995)
④石岡なみ子、飯尾美香、山﨑悠紀、野口聖子(1996)
⑤木村美智、根本圭子、渡邊和江、糸賀千恵(1997)
➅糸賀千恵、浅野輸輝子、豊島由美子、根本圭子(1998)
⑦小山真理、中島里美、柳橋智美、小川美幸(1999)
⑧吉宮梨恵、柳橋智美、植村愛、小山真理(2000)
⑨小松崎美希、永野雪菜、堀越瑛子、山下彩花(2003)

≪県選手権 優勝者≫
〈100m〉1人 ①渡辺和子(1989)
〈200m〉1人 ①金子友美(1994)
〈400m〉1人 ①小山真理(2001)
〈4×100mR〉6回
①寺門由紀、井坂蓁子、船津美佐、小室智美(1992)
②丸茂明見、金子友美、小林純子、寺門由紀(1994)
③高野千尋、野口聖子、臼井智子、川又智子(1995)
④瀬谷あずさ、吉宮照子、渡邊和江、山﨑悠紀(1998)
⑤吉宮梨恵、浅野輸輝子、根本圭子、植村愛(1999)
➅鶴田由樹美、小山真理、吉宮梨恵、豊野由希江(2001)
〈4×400mR〉6回
①佐久間久美、鈴木深雪、高野千尋、川又智子(1996)
②豊島由美子、浅野輸輝子、根本圭子、渡邊和江(1998)
③中島里美、松信美早子、小山真理、根本圭子(1999)
④松信美早子、小川美幸、吉宮梨恵、小山真理(2000)
⑤鶴田由樹美、石川裕子、渡耒由理、小山真理(2001)
➅大隅良美、山口真美、林亜友未、北爪史甫(2008)

【番外編 茨城県高校リレー競技】
本校と茨城県内の高校のリレーについてまとめてみました。本校は、上記に述べたように1990年から2008年にリレーの優勝があり、3大会の県大会で延べ36回優勝しています。注目してもらいたい点は、4×100mRで県高校新人の優勝が5回に対して、翌春の県高校総体の優勝が9回ということです。また、創部当時は、中学時代に実績があまりない選手が多かったので、リレーでも努力種目の4×400mRにも力を注ぎました。ですから県高校新人では4×100mRが5回の優勝に対して、4×400mRが9回しています。大会最終種目での優勝は、総合優勝にも花を添えられます。また、閉会式直前で表彰になるので各校整列しているので大変気分が良いとメンバー達は言っていました。そして、総合優勝杯も聖徳にというシナリオでした(笑笑)。

≪資料2;県高校総体と県高校新人 優勝チーム≫

県大会の資料は、1995年からしか持っていないため、そこからの結果となります。県大会の優勝校を資料2にまとめました。県高校総体の4×100mR優勝校は、1995年からは私立T.U(南)が9回でトップ、6回で本校が2番目でした。1986年から数えると本校も9回になるので実質的には同じ優勝回数だと思います。1986~1994年の優勝校は、私立T.N(南)か表にはない学校が優勝争いをしていた記憶です。4×400mRは2001年から実施されていて、本校は1回目に優勝。優勝回数トップは県立T.K(南)が6回で、2回優勝の学校が5校でした。地区別の優勝をみると4×100mRは、1995~2019年の25回中に県南地区が22回優勝あと3回は水戸地区の学校です。4×400mR は19回実施して、10回優勝が県南地区でトップ。2位に水戸地区が4回でした。県高校新人大会を見ると似たような学校が優勝していますが、4×100mRは私立T.U(南)が7回のトップで、2位は本校が4回(5回)でした。4×400mRは昔から茨城県は行っていて、本校がトップで7回優勝(全9回)、2位は県立T.K(南)6回でした。地区別の優勝をみると2種目ともに県南地区が4×100mRが16回、4×400mRが17回と優勝確率は60%を超えています。県高校新人から県高校総体にかけての傾向は4×100mRでは県南地区優勝が61.5%から88.0%にアップしています。しかし、4×400mRでは比較する年数が違いますが65.3%から52.6%に下がるように見えます。しかし、2000年度までの本校の6回優勝を除くと55.0%から52.6%への減少ですから優勝確率はあまり変化がありません。傾向の結論はリレーの2種目とも県南地区が50%を超える優勝確率であり、4×100mR は冬季練習を超えると80%を超える優勝確率に向上し、4×400mRの優勝確率には変化がない結果でした。

≪資料3;関東インター出場及び入賞校≫

トピック5で書いたように1986(S61)年から2020年までに茨城県女子のリレーはインターハイで4回しか入賞していません。1回は、常磐女子(現在;常磐大学高校)高校が1991年(H3)に4×100mR で第5位入賞、そして本校が1994年(H6)に4×100mR で本校初の第7位、1997年(H9)に4×100mR で第6位、2001年(H13)に4×400mR で第4位と2校で4回です。
茨城県の中学生は、全日本中学選手権の標準記録の突破は難しく個人種目では10人を超える年は少ないと思われます。それが短距離となると1人いるかいないかです。高校になると北関東の4県ですが埼玉県が入っていますので、6位に入賞は全日中より難しいと思います。埼玉県の6チームと栃木・群馬・茨城のトップチームが戦って6チームがインターハイ出場となります。
私のチーム作りは、初めは4人の選手をつくれば戦えるという考えで県大会初優勝から始まりました。しかしインターハイで戦うようになると4名の選手+補欠2名+2名の8名の選手養成を意識しました。そして、200mを中心に100~400mを走れる選手養成でした。インターハイを考え、技術面・体力面・精神面・コンディショニングのすべての面でインターハイ準決勝をピークに持っていくように考えて指導しました。県チャンピオンになったら関東・全国で勝負という考え方です。その考えが9回の出場で3回の入賞につながったのだと思います。
茨城県のチームで1998年から2019年度までの22年間に4×100mRでインターハイに出場しているチームは9校で、最多出場は県立M.T3(水)と私立T.U(南)の2校が5回、続いて本校の4回(全8回=1986年からは最多出場)です。残念ながらこの間のインターハイ入賞はありません。4×400mRは2001年から19回実施され、6校が出場しています。最多出場は県立T.K(南)で4回、続いて県立M.T3(水)が3回です。インターハイ入賞は、2001年の4×400mRの第1回大会になる時に本校が4位に入賞のみです。
これからの指導者には、成功した指導者を参考にして新たな指導法をマスターしてインターハイ入賞・優勝を目指してほしいです。

私は、創部の1986(S61)年から2001(H13)年までは、短距離系を中心に指導しました。その当時、千葉県公立中学校教諭の野島三宜先生と当時茨城陸協強化部長の後藤一彦先生、当時埼玉栄高校監督の大森国男先生、成田高校の元監督(現 順天堂大学部長)の越川先生、東京女子体育大学の元監督の阿部先生には大変ご指導を頂きました。
長距離(駅伝)の指導は、1994(H6)年から2000(H12)年9月まで長距離を杉森春男先生が指導をしましたが、2000年10月から私がまた長距離も指導するようになり、2002年からは長距離を中心になり2003(H15)年からは完全に長距離を中心に指導しました。ですから、本気で短距離系を指導したのは創部から16年間でした。陸協の強化では、国体強化跳躍コーチとして1986年から2002年まで行い、2003年から2018年まで道路競技強化コーチとして長距離関係の強化指導を行いました。